ひとひらの日記

日々の暮らし、思うこと

光っていたホームレスのおじさんと猫

今日も雨の匂いです。

体調がよくないと、不安な気持ちになります。

 

ネコメンタリー 猫も、杓子も』観ました。

(「ますむらひろしとモンとハテナとコマ」 )

広いきれいなお庭でくつろぐ猫、幸せそう。

 

私も赤ちゃん猫を拾って育てたことがあります。

猫、大好きです。

また一緒に暮らしたいな。

 

今朝は、こちらのツイートを観て、暗澹たる思いになりました。

 

あのごりっぱな都庁って

都民の、国民のためのものですよね。

 

黙認されていたことが、なぜ今このタイミングで?

 

こちらのコメントを読んで、あぁ…って。

 

私の父は肉体労働をしていて、とてもつらそうだったり

自分もいつホームレスになってしまうだろうと不安だったり

そんな境遇だからか

住む家がなく、暑い日も寒い日も路上にいて

お風呂も入れなくて、食べることもできない人たちのことを

子供のころから想っていました。

 

私は人とかかわることが苦手でしたので

支援の活動に参加するにも勇気がいりましたが

新宿で活動をしている人のところに行ったことがあります。

 

アマホロさんと呼ばれている日本人の方で

炊き出しを行っていましたが、人数が増えて賄えなくなり

街のごみ拾いに参加した人だけに食事を配る

という方法に変えていました。

 

早朝、待ち合わせをして、一緒に歩きながらごみ拾いをしました。

ごみ拾いを終えて、公園に行くと

ボランティアの年配の女性や男性が、楽しそうに料理をしていました。

 

ごみ拾いを終えたホームレスの方たちも集まってきました。

そのホームレスの方を見て、あまりにも光っているのでびっくりしました。

身なりもきれいで、ホームレスの方だとは、誰も気づかないでしょうし

本当に、後光がさすというか、お姿がピカーっと光っていたのです。

とても晴れやかな笑顔でした。

 

後にも先にも、あんなに光っていた人は見たことがない気がします。

 

ホームレスの方というと、思い出す人がいます。

会社に勤めていたとき

一日中建物の中にいるのに耐えられない私は

毎日近くの公園に行き、一人でお弁当を食べていました。

そこに、ホームレスのおじさんがいました。

 

そのおじさんは、公園に捨てられた猫を保護して可愛がっていました。

猫好きの私は、猫に近づきつつ

少しずつ、おじさんに近づいていきました。

 

おじさんは、すこしけんかっ早いところもあるようで

夜、公園に植えられている植木を盗みに来た人を

とっつかまえたりもしていたそうです。

 

猫はおじさんにあんずと名付けられ、可愛がられて、

あんずもおじさんを慕っているようでした。

華奢で可憐で、鳴き声も控えめで

心根の優しさがにじみ出る

ほんとうにかわいい猫でした。

 

会社の同僚たちにそのことを話すと

「やっぱりこの人変わってるな」

という感じで見られていたと思いますが

その内、猫好きな人が一緒に公園に来るようになりました。

 

そして、その人は、ホームレスのおじさんのことを

「全然臭くないんだよ。猫もかわいいの」

と同僚たちに話すようになり

他の同僚たちも、猫とおじさんに会いに行くようになりました。

 

そんなある日、あんずちゃんが子猫を二匹産みました。

でも、あんずはなぜか子猫の世話をせず母乳もあげませんでした。

 

どうしよう?手を出していいものか迷いましたが

弱っていく子猫を見て、ミルクをあげることにしました。

でも、子猫用のミルクを飲ませようとしても

すでに吸う力はないようでした。

 

次の日、おじさんのところに行くと

子猫は死んだこと、おじさんが手厚く葬むられたことを聞きました。

 

悲しかったけど、しばらくしてまた、あんずは子猫を産みました。

今度は、あんずは公園の、石が積み重なっている隙間の空間に

カラスなど天敵から子猫を守る安全な場所を見つけ

誰に教わったわけでないのに、ちゃんと育てていました。

 

一ヵ月ほどした頃でしょうか。

あんずは子猫を一匹ずつくわえて

おじさんに見せに連れてきました。

 

大事に、大切に育てられた子猫たちは

すくすくとかわいく元気に育っていました。

 

同僚たちも、子猫に会いに来ました。

しばらくすると、猫たちに目やにが出るようになりました。

どうやら目の病気になってしまったようでした。

 

病院に連れていくか迷っていましたが、一匹の子猫が死んでしまい

連れてゆくことにしました。

自分一人で行くつもりでしたが

同僚二人が一緒について来てくれて、お金まで一緒に払うと言ってくれました。

 

おかげさまで、猫たちの目の病気は治りました。

 

おじさんは、猫に目やにが出ていた時

なんと、ペロッと舐めて目やにを取ってやっていました。

 

私が赤ちゃんの時

父は私の鼻水をズズーっと口で吸ってくれていたそうですが…。

 

なんと愛情深いことかと思いました。

 

おじさんのところには、近所の人たちもよくたずねてきて

たくさんのおむすびなどを広げて一緒に食べたりもしていました。

公園の管理人さんも、おじさんを信頼しているようでした。

 

私は会社を辞めて、おじさんと猫たちには会えなくなりましたが

その後も、同僚たちはおじさんと猫のところに遊びに行っていました。

そのことが、とてもうれしかったです。

 

辞めてから一度、会いにいきましたが

華奢だったあんずは、まるまると太っていて一瞬だれかと思いました。

近所の方々が缶詰をあげるので、太ってしまったんですね…。

でも中身は変わらず可憐で優しいあんずでした。

 

もうこれも20年以上前のことなので、

あんずは天国に召されているでしょう。

おじさんは…。

 

しあわせでありますように。

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こちらはうちの仔猫です。