蛍の森*暗闇の中での対話~ダイアログ・イン・ザ・ダーク
こんばんは。
日中は暑くなりましたね。
お加減いかがでしょうか。
今日は、夜ふと思い立って、
蛍のいる森へ出かけました。
森と言っても
まわりは住宅や道路があって
どんどん開発も進んでしまって
木が切られ、土は削られコンクリートで覆われて…
小さな空間が残っているばかりなのですが。
貴重な植物が生育していることなどを訴えて
自然を残そうと働きかけてくれた人たちがいて
この小さな森はこわされずに守られたのです。
今年は蛍が来るのかな?心配でしたが
1日に3頭見えたとのお知らせが。
今日も少し見えるかなと思ったら
いっぱい飛んでいました!
大きく光って、きれいでした。
見ていると
こちらに向かってゆっくりと飛んできてくれました。
あ~、しあわせ。
昔の人は、こうして蛍を愛でていたのだなと
なんだか不思議な感覚になります。
知り合いの方が
自宅裏手の小川に蛍が飛んでいるのを
今年初めて見つけたそうです。
自粛のお陰で、水がきれいになったからでしょうか。
近くに小川のある方は、出かけてみてはいかがでしょう。
水がきれいになって
蛍をみんなで愛でられたら、素敵ですね。
暗闇を体験することって
現代生活、都会では、なかなかないのではないでしょうか。
一晩中、電灯にこうこうと照らされて
人間も、動物も、植物も…
心も体も安らげない。
暗闇は、怖いけれど、優しい。
森の暗闇を体験して
体が、皮膚が、心が…
深くやすらぐのを感じました。
十年ほど前の夏に
を体験しました。
まったく光の入らない、真っ暗闇の部屋の中を
目の見えない方に導かれていきます。
目が慣れて少し見えてくる、ということがなく
終わりまで、まったく何も、1㎜も見えないのです。
初めに、目を慣らすために薄暗い部屋に集まって説明を受けます。
参加者は8人。
私と、もう一人の男の人以外は、3組のカップルでした。
私たちを案内してくれる人は、トレーニングを積み重ねた
視覚障害者の女性です。
白杖を持って、いざ真っ暗闇の世界へ。
みんなで一列になって進みます。
小川のせせらぎの音が聞こえて
まわりは木々もあるようです。
足元がまったく見えないので
おそるおそる、そろりそろりと進みます。
自然と前の人にくっついて歩いてしまいます。
途中、「小川の水をさわってみましょう」と
案内の女性が声をかけます。
でも、しゃがむのもなんだかこわくて
ゆっくりとしゃがんだのを覚えています。
指に水がふれるのを、なんと新鮮に感じたか。
案内の女性が、楽しく道案内をしてくれて
ドキドキ、ワクワクと進んでいきます。
私たちのいるこの部屋が
どのくらいの広さなのか
まったく見当がつきませんでした。
しばらく歩くと
「モォ~」と牛の鳴き声が…。
「ここはどこでしょう」
そう、田舎のおばあちゃん家!
縁側から部屋にあがって、ひと休みです。
ここで、飲み物をくれるので選びます。
お酒の飲めない私以外は
全員「ビール!」(笑)
瓶のフタを抜く「シュポッ!」って音
コップに注がれる「シュワシュワ」って音
いまだに耳に残っています。
みんなで乾杯して、飲んだ飲み物の
なんと美味しかったこと!
終了して
また目を慣らすために薄暗い部屋に集まって
みんなで少し感想などお話をしました。
目の見えないその人は
暗闇の中で、とっても頼もしくって、楽しくって
彼女のことを、みんなとても好きになって
親愛の情が、生まれていたのを感じました。
明るい部屋で、目が見える私たちの前にいる
目が見えない彼女の姿に
なんだかとても不思議な感覚を感じていました。
一緒に参加した私たちも
なぜかとてもお互いに、お互いが愛おしくなっていて
明かりの下で、笑顔で「楽しかったですね」とか声をかけ合って
でも、声をかけられたら私は涙があふれそうになって
あわてて顔をそらして、売っていたTシャツの方を向いて
「これ買おうと思って」、なんて言ったんだな。
そのTシャツはまだ持っています(#^^#)
十年ほど前の、夏休み期間の企画でしたので、
今はまた違った内容に進化しているのではないかな?
去年の秋、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に
大切な人を誘って行きたいなと思いつつ
迷っている内に…。
でも、初めての方は
お一人で参加されることをおすすめします。
みんなが知らない人同士で体験するのがベスト
と思います。
次回は私はカップルで参加したいと思います(笑)。
夜遅くなってしまいました。
おやすみなさい。